看護師は重要性が高く人気の職業
今から約10年後、2030年には人口の3分の1が高齢者になると言われている日本ですが、そういった状況に対して看護師が不足しているというデータがあります。厚生労働省によると、現時点でも約1万5,000人の看護師が不足しています。そのため、看護師の需要が落ちることはないでしょう。
現在の需要
2015年の時点で高齢者(65歳以上)の人口は3,392万人、総人口に対する割合は26.7%となっています。4人に1人は高齢者です。高齢者増加に向けた看護師の需要は今後も増していきますが、その中でも注目されているのが訪問看護です。高齢化社会において在宅医療は欠かせない医療方針のひとつですが、そのためには訪問看護に対応できる看護師が必要となります。特別なスキルは必要ありませんが、今後はますます訪問看護師の存在価値が高まっていくことになるでしょう。
また、ライフスタイルの変化によって病気や怪我の種類は多様化しており、それに対応できる医師も不足しています。多岐にわたる患者の状態をどれだけ把握できるかは、最適な医療を提供するために重要なポイントとなります。看護ケアにあたるとき、医師に病状を伝えるとき、いずれにせよ状態をすぐに理解して対応できる知識とスキルが必要です。そのため、素早く正確な対応を可能にするために、特定の看護分野に特化した知識とスキルを持つ「認定看護師」を目指す看護師が増えてきました。熟練したスキルと高い知識を用いて高度な看護ケアを提供できるとともに、看護人材としての市場価値を高めることが可能なため、自身のキャリアを有利な方向に導くことができます。
気になる収入面
収入面はどうでしょうか。求人サイトに掲載されている求人情報をもとに調査してみると、3割強が年収400万円台でした。500万円台も3割弱で、300万円台は2割に満たないほどです。厚生労働省の調べによると日本人の平均年収層は360万円なので、それとくらべると高いことが分かります。さらに医療機関は近年増加傾向にあり受診する患者の数も増えているので、将来性は高いと言えます。経営側にとっては医療の多様化によって人材確保が難しい状況です。そのためヘッドハンティングなどで優秀な人材を引き抜く活動も活発になってくるでしょう。
これからも人気の職業
1991年の段階で11校しかなかった看護大学も、2014年には226校まで増えました。安定した待遇を求めて看護師を目指す人は多く、今後は病院以外にも介護施設や訪問介護など活躍の場が拡大していきます。看護師の資格が必要となる保健師や助産師などの国家資格や、認定看護師などの認定資格を取ってキャリアアップすることも可能です。需要が高いことから労働環境もさらに良くなっていくでしょう。